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広報いずも 2017年3月号

いつまでも住み慣れた地域で安心して暮らしていくために ~わたしたちのまち・出雲の『地域包括ケア』~

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島根県出雲市

これから迎える超高齢社会に備えて、地域の実情や高齢者の希望に合わせた新しい医療や介護のしくみが必要になっています。人生の最期まで住み慣れた地域や家庭で、必要な医療や介護などのサービスが受けられ、安心して自分らしい暮らしが続けられるように、地域ぐるみの体制づくり(地域包括ケア)がはじまっています。

■高齢化の状況
市の高齢化率(65歳以上高齢者の割合)は、年々増加していて、団塊の世代(昭和22年~24年生まれの世代)がすべて75歳を超える平成37年(2025年)頃には、30%を超えると予想されています。
高齢者全体のうち75歳以上の方が占める割合は、平成17年には50%でしたが、平成37年には58%に推移すると見込まれています。(図1参照)
一般的に、75歳以上の方は、65歳から75歳未満の方と比較すると、医療や介護が必要な状態になりやすいといわれていて、医療や介護が必要な方が、今後ますます増えることが予想されています。
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■介護費用の状況
急速な高齢化に伴って、介護認定を受けている高齢者の数は年々増加しています。
また、認定者数の増加とともに、介護給付費(介護保険サービスにかかる費用)は、平成27年には10年前の約1.5倍の159億円となっています。(図2参照)
高齢化の進展により、さらに増え続ける医療や介護のニーズへの対応が課題となっています。
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■高齢者世帯の状況
高齢化に伴う大きな課題の一つが「高齢者のみの世帯」の増加です。
市でもそうした世帯の割合は年々増加していて、平成27年には全世帯の21.1%(約5世帯に1世帯)となっています。(図3参照)
一人暮らしなどで介護をしてくれる家族のいない高齢者を支える、地域での支援体制づくりが必要となってきています。
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■認知症高齢者も増加
認知症は誰もがかかるおそれのある病気です。平成37年には、全国で約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になるといわれています。
市でも、近年、認知症の方は増え続けていて、平成27年に高齢者の13.2%の方が認知症になっています。(図4参照)
こうした状況から認知症高齢者の見守りなど、地域での生活を支える体制づくりが急務な課題となっています。
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■多くの市民は自宅での療養を希望
昨年度、市民を対象に行なった「在宅医療・介護に関するアンケート調査」では、約4割の方が『人生の最期まで住み慣れた「自宅」で過ごしたい』と思っていることが分かりました。(図5参照)
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一方で、平成25年の人口動態調査(厚生労働省)によると、「自宅」で亡くなられたのは約1割で、ほとんどの方が病院や施設等で亡くなられています。(図6参照)
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「自宅で過ごしたい」という希望が多い中で、実際は病院等で亡くなる方が多くなっている理由は、「自宅での療養(医療・介護)という選択肢の周知が不十分」、「病院の方が安心という意識がある」、「介護に対する不安がある」などが考えられます。

■地域包括ケア(システム)とは?
誰もがいつまでも住み慣れた地域や家庭で、安心して暮らしたいと思っています。しかし、高齢化が進み、このままでは増え続ける医療や介護のニーズに対応できなくなります。
また、高齢化に伴い増加する一人暮らしや認知症高齢者を、「支える」「見守る」といった役割を、誰がどのように果たすのかも大きな課題となっています。
そうした状況の中でも、高齢者ができる限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、行政と地域の医療、介護、福祉関係者、そして地域の皆さんと力を合わせて、必要な支援・サービスを切れ目なく提供できる体制づくりを進めていくことが、「地域包括ケア(システム)」です。
「地域包括ケア(システム)」は、住み慣れた「住まい」を中心に、適切な「介護予防」「生活支援」を利用しながら、必要に応じ「医療」「介護」を受けることができるよう、住民の皆さん一人ひとりが、また関係する団体・組織それぞれが、自らの役割を果たしながら、地域でともに支えあう仕組づくりでもあります。

■「在宅医療」についてご存じですか?
地域包括ケア(システム)を進めていくためには、「在宅医療」を充実していく、そして、皆さんに「在宅医療」について知っていただくことが重要となります。
高齢社会を迎え、長期の療養が必要とされる高齢者の方々の多くが病院での入院生活を送られています。
一方で、多くの方が「できることなら住み慣れた自宅でいつまでも暮らしたい。」と願いながらも、治療や家族への負担等に対する不安を持っています。
「在宅医療」は、体の具合や介護する家族の状況等の理由から病院への通院が難しい方に対して、自宅等の生活の場において、医師や看護師が訪問して診療や医療処置を行ったり、必要に応じて歯の治療や各専門職による薬の処方やリハビリ、栄養指導等を受けることを言います。

■在宅医療・介護に関するアンケート調査結果
昨年度行なった「在宅医療・介護に関するアンケート調査」では、「在宅医療について知っていましたか」という問いに対し、「少し知っている(聞いたことがある)」が最も多く、60.9%、「よく知っている」が25.2%、合わせて86.1%の方が「在宅医療」について知っていると回答しています。(図7参照)
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また、「在宅医療・介護を受けることについてどのようなイメージをお持ちですか」という問いに対し、「費用等の経済的負担」「トイレ・風呂等の住宅環境の整備」「どのような医療・介護サービスが受けられるか分からない」といった印象を強くもつ方が多く、在宅医療・介護の内容について市民の皆さんに十分認識されていないことが分かりました。(図8参照)
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「あなたが要介護状態等で長期の療養が必要になったとき主にどこで過ごしたいですか」という問いに対し「介護施設」が40.1%と最も多く、次いで「自宅」の30.4%、「病院」の24.4%となっています。(図9参照)
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このうち、「自宅」以外を選択した理由を聞いたところ、「家族に負担や迷惑をかける」「家族が仕事をやめないといけなくなる」「急に病状が変わったときの対応が不安」と回答していて、「在宅医療・介護」を選択することについては「家族への負担」「家族の介護力」等への不安を持っていることが分かりました。(図10参照)
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■多職種の連携と「在宅医療」座談会
「在宅医療・介護」では、医師、歯科医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャー、ホームヘルパーなどさまざまな職種の人の協力や各種サービスの活用によって、患者本人だけではなく家族も支えます。
自宅での療養・介護に対する不安を取り除き、より充実した医療や介護サービスを行っていくため、多職種の連携をさらに推進することが強く求められています。
市では、医療・介護の関係者が研修等を通じて、さらに連携をとりやすくするために「顔の見える関係づくり」を推進し、市民の皆さんに安心感を持って「在宅医療・介護」を一つの選択肢と考えていただけるよう取り組んでいます。また、「在宅医療」座談会を開催し、皆さんが「在宅医療・介護」について知っていただく機会を設けています。
さらに、市街地だけでなく、山間部等の「在宅医療や介護サービス」の提供が不十分な地域においても安心して「在宅医療・介護」を受けることができる体制づくりも進めています。

「在宅医療」座談会
在宅医療・介護に実際に携わる専門職等が、自治会や町内会等の地区や地域の集まりにうかがって、「医療・介護の現状」や専門職の方からみた「在宅医療」についてお話をしています。ぜひ、お気軽におたずねください。

【在宅医療・介護Q&A】
「在宅医療・介護」がどんなものか、なんとなくわかるけれど、実際に自分や家族が利用すると考えると、わからないことや不安なことがたくさんあるものです。そんな皆さんの「在宅医療・介護」に対する素朴な疑問について、お答えします。
Q 「在宅医療」ではどんなことをしてもらえますか。
A 投薬、注射、検尿、血液検査、心電図検査など通常外来でできることは自宅でほとんどできます。床ずれの処置、酸素療法、経管栄養、機械による人工呼吸、緩和ケアなどでも、訪問看護などと組み合わせて、大部分は対応が可能です。(しかし、特殊な検査はできません。)

Q 在宅療養をしたい時はどうしたらよいですか。
A 病院での治療が終わって在宅療養となる場合には病院の地域連携部署の相談員、看護師等に相談してください。
通院中の場合はかかりつけ医に相談してください。病状に合わせて訪問診療を計画します。介護保険の申請、訪問看護、訪問介護、訪問リハビリなどについても、相談を受けますが、ケアマネジャーに相談するよう説明されます。特殊な処置が必要な場合は、対応できる医師を紹介します。かかりつけ医がいない場合は、お近くの医師に相談してください。

Q 自宅で診てもらっていると、いざという時入院させてもらえないようなことはありませんか。
A 訪問診療医(かかりつけ医)が、入院の必要があると判断したら病院を紹介します。医療的な判断なので、在宅で診ているから入院させてもらえないということはありません。

Q 医療費はどうなりますか。通院するよりたくさんかかりませんか。
A 確かに通院時よりも負担は増えてしまいます。しかし、保険診療については高額療養費制度がありますので、それ以上の負担はありません。また、病気や状態によって利用できる制度(障がい者手帳と等級によっては福祉医療、特定疾患など)により負担を軽くすることができます。該当するかどうかや利用の仕方等は医療機関や市役所福祉推進課におたずねください。

Q 自分は家で療養したいけど、家族に負担がかかるのは申し訳ないなぁ・・・。
A 介護保険でホームヘルパーによる家事援助や入浴介助などの身体介護、また訪問看護も受けることができます。時々短期入所をして家族の負担を減らすこともできます。家族だけで介護をしよう、あるいはできることはすべてやろうと思わず、任せられるところは任せてください。うまくサービスや制度を活用しましょう。まずは、かかりつけ医やケアマネジャーに相談してください。

おたずね/医療介護連携課 TEL21-6121

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